仮想通貨税制を変える会1

1/30仮想通貨税制を変える会の第一回講演会があり、参加してきましたので、レポートします

 

1.会発足挨拶

 〜会長 藤巻健史参議院議員

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会の前段として、今日の朝日新聞の小林経済同友会代表幹事の記事から、平成の30年間、日本は敗北の時代だったという話で、

https://www.asahi.com/sp/articles/ASM1P41DQM1PUPQJ006.html

これからの希望であるブロックチェーンを発展させるにはやはり税制改正だという流れで始まりました

 

⑴会の主張 

 ①20%の分離課税へ

    仮想通貨通貨の税金 雑所得扱い=最大55%の総合課税 → 20%の分離課税へ

 ②仮想通貨間の売買を非課税に

    ビットコインなどでイーサリアムリップルなどを購入が利確扱い=税金がかかる → 非課税に

 ③少額決済を非課税に

    実社会での利用が利確扱い=税金がかかる → 非課税に

 ④損失の繰り延べを

    本年の損失は本年限り → 本年の損失を翌年以降に繰越し、翌年以降の利益と相殺

 

⑵総会の目的〜税制改正実現のために

 ①国会で質問し続ける=役人の頭に残る

    総会・講演会で新しい知見を得、毎回違う切り口でロジカルに国会で取り上げていきたい

 ②数がモノを言うのでこの会を発足した → 広めて欲しい、写真可、SNS

 

⑶仮想通貨の魅力

 ①避難通貨として

    藤巻氏の持論である日本のハイパーインフレに備え、海外資産を持っておくべきで、仮想通貨はその選択肢となる(海外の銀行口座は一般人は作りにくい)

 ②ブロックチェーンの表裏

    今後ブロックチェーンが発展するなら、表裏の関係である仮想通貨も発展する

 ③通貨自体の魅力

    ・銀行疎外の20億人の取込み

    ・効率的な決済手段となり得る

 →税制改正し、投資・新規参入を増やし競争・発展させる

 

2.講演「実務面から見た現在の仮想通貨税制の問題点と今後のあるべき税制について」

 〜柳澤賢仁税理士(幻冬社サイトに記事有)

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 ⑴所得税について

    ・日本ではキャピタルゲインも担税力があると考えられている(金子宏教授『租税法』)

   ・ 所得税法では、利子所得・金融類似商品は20%の分離課税となっており、税制の投資中立性の観点からおかしい

 ⑵消費税について

    ・世界初で2017年7月から非課税となった

    ・資金決済法の下での英断であったが、勇足ではなかったかという見方(酒井教授との対談):各々の仮想通貨の役割が、value token,utility token,security tokenと分かれていくので、資金決済法の下ではなく、金融商品取引法の下で管轄される通貨が出てくる

 ⑶国税庁の考え

    ・2018年11月の国税庁のFAQで規定、上記のような問題点はあるが、今年の確定申告はこれで行くしかない

    ・税制大綱に、法人税時価評価が盛り込まれ、驚いた

    ・国外財産調書には記載不要

 ⑷会の主張についての賛否

    ①分離課税化

    ・上記⑴の観点から賛同

    ・株のような源泉分離課税が理想だが、海外取引所があり、申告課税になるのでは

    ②仮想通貨間売買の非課税化

    ・法定通貨にする際まで課税繰り延べ

    ・繰り延べは不動産交換の際に類似事象あり

    ③少額決済の非課税化

    ・先行取得者を優遇し過ぎる為、税制の公平性の観点から無条件では反対

    ・年間数十万円などの枠を決めるべき

    ④損失の繰り延べ

    ・①の分離課税と共に導入すべき

 ⑸仮想通貨発行の歴史

    ①ICO:暴落で投資家の目が覚める。そのものに価値・配当が無く、受給のみで価格が決まるのはおかしい

    ↓

    ②STO:アメリカが主導、みなし有価証券

    ↓

    ③ステーブルコイン:価値が固定される=ボラが無い方が世の中で使われやすい!?

    ただ、これは仮想通貨と呼べるのか?銀行法の世界、柳澤先生的には全く面白くないと。

 ⑹柳澤先生の私見

    ①法人税時価評価法になると取引所が辛い

    ②BS11 木曜深夜1:30の仮想通貨ニュースを見て、たまたま明日は柳澤先生が出るらしい笑

    ③日本の取引所に新規銘柄が入る、やっと国もホワイトリストに関する仕事をできる

 

3.質疑応答や雑談などで印象に残ったこと

 ①なぜ雑所得か

    日本の所得税では所得は10に分けられているが、他の9に当てはまらないので、雑所得

    所得税法に規定すればいいのだが、仮想通貨の流れが早すぎて、追いついていないのではと

 ②カジノは競馬などのギャンブルで一時所得扱い=仮想通貨の半分以下、不公平ではないかと、こちらにはIR議連がありますね

 ③消費税非課税化は、実は取引所のロビー活動で実現したとの話であったが、同時に取引所は個人の課税には無関心で声が大きくなかったので、所得税は雑所得扱いで捨て置かれたのでは

 ④ブロックチェーンや仮想通貨、税制のことは政治家・役人はよく知らない、実用化されたブロックチェーンが無いのも問題

 ⑤国会や委員会の質疑や議論で話題にならないことは興味が無いし、知ろうとしない

    仮想通貨はまだ財政金融委員会の中の話で国会の場で話題になる話にもなっていない

 ⑥仮想通貨を知っていてその税制改正の話ができる議員は他には居ないと言っていました(個人的な失望ポイント)

 

まとめ

    ・既に知識として知っていることも多かったが、税制の背景や税理士さんの税制の公平性という視点は自分には無く、興味深かったです

    ・超党派議員連盟ができるくらいロビー活動が活発にならないと税制改正は見込めないのではないかと感じました

    ・ブロックチェーンの実例と言いますが、選挙管理とか、寄付をガラス張りにするとか議員さんの身近なところでいくらでもありますよね

    ・我々はブロックチェーンの可能性や税制の話を広め、サポーターを増やし、声を上げていくことが大事だと思いました

 

ということで賛同される方は以下からサポーター登録をお願いします

https://kasou-tax.jp/

 

つたない文章を最後までお読みいただきありがとうございます

 

 

おしま〜い